イノベーション・ネットワークあおもり

産学官金ラウンドテーブルの活動状況の振り返り


この度、新型コロナウイルス感染症により制限されていた活動が正常化しつつあることから、アフターコロナに向けたリスタートを迎える節目として、これまでの活動状況を振り返り、今後の活動の参考とするものです。





(1)産学官金ラウンドテーブルとは



平成23年4月、県内の地域資源の潜在力を結集し、新産業・新事業の創出を促進することを目的として、産学官金の広域的なネットワークである「イノベーション・ネットワークあおもり」を設置しました。産学官金ラウンドテーブルは、イノベーション・ネットワークあおもりの中で、本県のイノベーションに関する方向性等についての提言を行うことを目的とした、県内の主要な産学官金機関10機関のトップからなる組織です。





(2)産学官金ラウンドテーブルの活動内容



産学官金ラウンドテーブルでは、平成24年11月、参画機関との意見交換を経て、新産業創出に向けて各機関が重点的に取組を推進する以下の4事項からなる共同宣言を取りまとめました。



1.産学官金連携に係るコーディネート機能の充実・強化



2.知的財産の活用による新事業の創出促進 



3.共同研究及び競争的研究資金獲得の推進



4.新事業・新産業の創出の加速化



その後、グローバル化の進展や労働人口の減少、コロナ禍の発生、AI、IoT技術のめざましい発展及びそれに伴うDXの進展など、イノベーションを巡る環境も刻々と変化し続けている中で、毎年度、共同宣言に示された内容に関して進捗状況を確認しながら、イノベーション・ネットワークあおもりの中で、実務を担当するタスクフォースの活動に対し助言等を行ってきました。タスクフォースを通じ、イノベーション・ネットワークあおもりを構成する各機関では、産官学金をつなぐコーディネーターの設置、産学官金連携に対応した組織体制の整備、各種セミナーの実施やイノベーションを創出するための補助金・資金支援制度の創設などに積極的に取り組んできました。



また、平成28年度には、産学官金の各機関による連携活動の成果を表彰するための「産学官金連携イノベーションアワード」を創設し、これまで15の県内企業を表彰してきたほか、平成30年度には、イノベーション・ネットワークあおもりと台湾の経済団体2団体が経済交流覚書を締結し、それ以降、台湾とのビジネス交流にも取り組んできました。





(3)産学官金ラウンドテーブルの開催状況





第1回 平成23年11月15日(火)



「産学官金の連携によって、震災からの力強い復興を成し遂げよう」をテーマに、産学官金連携の取組の方向性について意見交換を行いました。その中では、急激な円高や電力供給に対する不安等によって産業空洞化の懸念が増大し、従来型ではない新たな取組が求められていること、産学官金各機関の主体的な取組によって、より一層の連携の強化を図っていくこと等を確認し、これらの内容を踏まえ、今後のイノベーションの方向性を示す共同宣言を採択しました。



【共同宣言の概要】



○「産」の取組



・企業の経営者が、人財や技術に強みを持った自主自立型の企業への転換を図ることを経営戦略上、明確に位置付ける。



・産学官金との連携への積極的な取組により、新事業・新産業の創出を加速化する。



○「学」の取組



・地域貢献の一環として、産学官金連携の強化は極めて重要であるとの基本姿勢を確立し、組織としての対応を強化する。



・それぞれの特色を活かした企業との共同研究や、「学」同士の横の連携強化など、重層的な取組を行う。



○「官」の取組



・産学官金の連携が円滑に進むよう体制整備を行うとともに、参画機関の意見等を集約し総合調整を図る。



・産学官金連携による新産業創出に向けたコーディネート機能の強化、人財育成、技術基盤強化など、各種施策を強力に推進する。



○「金」の取組



・企業の技術力や将来性に着目した地域密着型金融をより一層推進する。



・県内隅々まで行き渡ったネットワークを活用して、産学官金連携活動推進へ貢献する。





第2回 平成24年11月20日(火)



各機関の産学官金連携の取組状況及びコーディネート機能強化をはじめとする今後の取組や新産業創出のための各取組について意見交換を行いました。その中では、現在、本県産業が直面している課題を克服し、東日本大震災からの創造的復興を成し遂げていくためには、産学官金の英知を結集し、イノベーションの創出に取り組んでいくことが重要であることを再認識した上で、各機関が重点的に推進することについて、共同宣言を採択しました。



【共同宣言の概要】



1.産学官金連携に係るコーディネート機能の充実・強化



2.知的財産の活用による新事業の創出促進



3.共同研究及び競争的研究資金獲得の推進



4.新事業・新産業の創出の加速化





第3回 平成25年11月19日(火)



第2回で採択した共同宣言に係る取り組み状況について各機関から報告し、引き続き、新産業の創出や競争的資金の獲得等を活発化し、青森県におけるイノベーション創出に全力で取り組んでいくことを確認しました。





第4回 平成26年10月22日(水)



第3回のラウンドテーブル以降のイノベーション・ネットワークあおもりの活動、各機関における産学官金連携の取組状況及び今後の方針を確認した後、「労働力人口の減少下における県内企業の人財確保と人財育成」をテーマに意見交換が行いました。その中では、引き続き、国の動きを的確に捉えるとともに、新産業の創出や競争的研究資金の獲得の支援など、活動を更に活発化させ、青森県におけるイノベーション創出に全力で取り組んでいくことを確認しました。





第5回 平成27年10月28日(水)



 グローバルビジネス学会会⾧丹羽宇一郎氏から「グローバリゼーションにおける青森県の挑戦」と題して、地域の強みを生かしたグローバル化の推進に取り組むよう御提言いただいた上で、「地域特性を生かした産業の域外展開について」をテーマに意見交換が行われました。その中では、人口減少の克服と持続可能な地域を作るため、県内産学官金関係者の連携を一層強固にし、国内外の動きを的確に捉えるとともに、新産業の創出や競争的研究資金の獲得の支援など、活動を更に活発化させ、青森県におけるイノベーション創出に全力で取り組んでいくことを確認しました。





第6回 平成28年10月26日(水)



本県産業が世界的潮流である第4次産業革命に適切に対応しつつイノベーションを創出していけるよう「第4次産業革命下におけるイノベーションの創出について」をテーマに意見交換を行い、引き続き、人口減少の克服と持続可能な地域を作るため、県内産学官金関係者の連携を一層強固にし、国内外の動きを的確に捉えるとともに、新産業の創出や競争的研究資金の獲得の支援など、活動を更に活発化させ、青森県におけるイノベーション創出に全力で取り組んでいくことを確認しました。





第7回 平成29年10月24日(火)



中華民国三三企業交流会・日台商務協進会会長 江 丙坤氏から、「日台企業連携によるアジア市場進」と題して特別スピーチをいただいた上で、「Society5.0時代における青森県産業界の在り方」をテーマに、「青森県基本計画未来を変える挑戦」が描く2030年の将来像の実現に向けて、産学官金連携でイノベーションを創出するために必要な条件並びに将来に向けた青森県産業界と台湾との交流の可能性について、意見交換を行いました。



その結果、以下の2点について各機関で共有し、連携して取組を進めていくこととして確認しました。



・今後、Society5.0時代のキーとして挙げられたICTや現在話題となっているIoT・AI・ビッグデータなどの技術を、本県の得意分野である「アグリ」「ライフ」「グリーン」において積極的に導入し、より実効性のある産学官金連携体制を検討しながら、地域をけん引する新産業の創出と、全体の底上げによる新事業の創出に全力で取り組んでいく



・これまでも最も身近な外国の一つとして深いお付き合いをしてきている台湾について、今回の訪問を新たな縁にして、お互いのことをよく理解し、これまで交流の少なかった分野にも、産学官金が連携して取組を進めていく





第8回 平成30年10月23日(火)



県が実施した「ものづくり企業の支援状況に関するアンケート」について、結果の概要説明を行った上で、「青森県基本計画『選ばれる青森』への挑戦」において、2030年における本県のめざす姿が掲げられていることを踏まえ、「青森県内企業による新産業創造に向けて~2030年を見据えた推進方向及び各機関の役割分担~」をテーマに、意見交換を行いました。



また、知事から、イノベーション・ネットワークあおもりと台湾経済団体(台日商務交流協進会及び台北市進出口商業同業公会)が経済交流覚書を締結することについて合意したことの報告がありました(覚書締結は平成30年に台湾で実施)。





第9回 令和元年12月12日(木)



平成30年の台日商務交流協進会及び台北市進出口商業同業公会との経済交流覚書締結1周年を記念し、両団体を招聘し台湾で開催しました。



台湾経済団体及び青森県企業2社からお互いの取組についてプレゼンテ―ションを実施した上で、弘前大学COIの取組に関する講演をいただきました。その後、「青森県と台湾のビジネス交流の活性化について」をテーマに意見交換を行い、台日商務交流協進会董理事長からは、「青森にはりんご以外にも素晴らしい技術や未来の世界に貢献するプロジェクトが進行していることを知り、勉強になった。我々の会員は、貿易業、ものづくり業が多く、青森のパートナーとして非常に相応しいと思う」という感想が述べられ、三村知事は「この絆を具体的なビジネス交流につなげていく必要がある」との決意を述べました。





第10回 令和2年10月28日(水)



コロナ禍における産学官金の各機関における取組とこれまでの台湾との交流を踏まえた今後の展望について、県内産学官金主要10機関のトップと、台湾経済団体2団体及び台湾研究機関1団体による意見交換を行い、感染症の影響で往来できない中にあっても、しっかりと対策を施し、ウェブなどの代替手段を活用するなどにより台湾とのビジネス交流拡大に向けて取組みを進めていくことで意見が一致しました。





第11回 令和3年11月4日(木)



アフターコロナに向けた新たなチャレンジとして、世界を見据えた新たな技術・ビジネスの可能性について、県内産学官金主要10機関のトップと、台湾経済団体2団体及び台湾研究機関1団体による意見交換を行い、県内企業の具体的事例や研究機関の研究シーズ等をもとに、世界に認められる可能性がある青森県内の技術を官民挙げて支援していくこととしました。



令和4年度産学官金共創フォーラム 令和4年11月1日(火)  長引くコロナ禍において、一つでも産学間連携のビジネスを社会実装するため、地域共創に向けた取組などの紹介を通じて、経済の回復や地域の活性化につなげることを目的とした「産学官金共創フォーラム」を開催しました。